ペルソナ設定は知っていますか?
Webマーケティングにおいて、Webサイトリニューアル、Webプロモーション、SNS運用などの施策を行う場合、ペルソナ設定は必要不可欠です。にもかかわらず、私の経験上、ペルソナを設定せずにWebマーケティング施策を展開しているケースは意外と多いのです。
長い間、自社の商品やサービスを販売していると、ターゲットはある程度把握しているため、改めてペルソナを設定せずに、施策を実施してしまいがちです。
しかし、時代とともにターゲットは変化します。特に昨今のコロナ禍においては、消費者の意識や行動がたった1年前で大きく変わっています。
こうした状況に対応ために、ペルソナを定期的に見直すか、施策をプランニングする前にペルソナを再設定することが重要です。
本記事では、実戦で活用してきたペルソナ設定の基本と設定方法を詳しく解説します。
ペルソナとは
ペルソナは、商品やサービスを利用するターゲットの典型的なユーザー像です。顧客の代表的な人物像となりますが、それが1パターンの場合もあるし、複数パターン存在する場合もあります。
例えば、分譲マンションを販売する会社では、結婚を機に購入する20~30代、子供がある程度大きくなったことを機に購入する40代など。カラコンメーカーであれば、派手目のカラコンを好む学生層や職場でもつけられる裸眼風のカラコンを好む20代前半~20代後半など、必ずしも1つのユーザー像とは限りません。
ペルソナを設定すべき理由
ペルソナは、単にユーザー像を把握するためのものではありません。まず、販売促進に関わるプロジェクトメンバーのターゲットに対する認識を統一できます。関わっているメンバーの一人ひとりが別のターゲット像を想定していたのではその販売促進が成功するはずはありません。ペルソナは具体的な像を形づくるため、設定したペルソナを見ることで複数の人が共通のイメージ持ちやすくなります。
また、例えば、長時間履いても疲れないパンプスを販売しているシューズメーカーの場合、ターゲットを30代女性と大枠で設定するのではなく、「外反母趾に悩んでいて、外反母趾の傷みを和らげるパンプスを探しているユーザー」まで絞り込めれば、リスティング広告で強化するキーワードも絞り込めます。
広告などの施策時だけではなく、Webサイトリニューアル、CRM展開など、Webマーケティングのあらゆる施策を展開する際に非常に有効なツールとなります。
ペルソナを構成する2つの要素
ペルソナは大きく分けて「社会的要素」と「心理的要素」2つの要素を組み合わせることで設定することができます。
社会的要素
社会的要素は、一般的に言うターゲットの属性情報のことです。「20代、女性、一人暮らし、東京在住、大手企業、一般事務職、年収」などです。アンケートなどでもう少し深掘りした情報収集ができると「月に使える娯楽費、1日のスマホの閲覧時間、良く見るSNS、SNSの利用時間、1日のYouTubeの閲覧時間」なども社会的要素となります。
心理的要素
心理的要素は、社会的要素で設定したユーザーの“インサイト”で、ユーザーの心理状態、深層心理、隠された本音のことです。ユーザーが、どういった状況にあって、何に課題を抱えていて、どんなことを望んでいるのか。そうした“インサイト”がここでいう心理的要素です。
この社会的要素と心理的要素を組み合わせてユーザー像として設定したものが「ペルソナ」になります。

今すぐできる!ペルソナの作り方
社会的要素
まずは社会的要素を洗い出します。
【必要なもの】
- 顧客データ/購買データ
ネットショップであれば、1年間の購買データから顧客の属性を割り出します。ユーザー像がひとつのタイプであれば代表的なユーザーの割出として、平均年齢、都道府県の割合、平均購入単価、平均購入回数、決済方法など、判明するデータをピックアップします。
- アンケート結果データ
ネットショップではなく、顧客の属性がわかるデータがない場合、アンケートを実施することをおすすめします。実際にアンケート直近でアンケートを実施していれば、そのアンケート結果を活用します。アンケートは顧客/購買データがあったとしても実施した方が具体的なペルソナ像を設計することができます。
業界によって必要な設問項目は変わりますが、以下はベーシックなものなのでアンケートをとる際の参考にしてください。
アンケートをこれからとるなら、ライフスタイルや商品購買動機なども併せてきくことで心理的要素の把握にも役立ちます。
(基本属性情報)
- 年齢
- 性別
- 居住地
- 職業
- 未既婚
- 子供の有無(年齢)
- 年収(世帯年収)
- 月に使えるお小遣い など
(ライフスタイル情報)
- 趣味
- 興味関心ごと
- 使用しているSNS
- SNSの使用頻度/利用方法
- よく見るYouTubeチャンネル
- よく使うアプリ
- よく見る雑誌
- 家族について
- 友人関係について など
(商品・サービスについて)
- 商品・サービスをどうやって知ったか
- 商品・サービスをいつ知ったか
- 商品・サービスの感想
- 競合商品・サービスの利用状況
- 商品・サービスの利用歴
- 商品・サービスの満足/不満足度 など
顧客/購買データの属性情報をベースにペルソナのタイプごとに、属性情報を書き出します。アンケートを取得した場合はアンケート結果の属性情報も照らし合わせて、タイプごとの属性情報を書き出します。
心理的要素
アンケートを行った結果を見て、顧客の心理状況を書き出していきます。どんな状況を書き出すかは後述するペルソナ設定のテンプレートを参考にしてください。
ここで、何らかの理由でアンケートができなかったり、アンケートをする時間がなかったりする場合は、前述した属性情報をもとに、いくつかの項目を出して、複数人でどんな人物像かをポストイットなどで書き出してみるといいでしょう。
(例)
- モチベーションが上がること
- 欲しいもの
- 心配ごと/困っていること/悩んでいること
- 一番の不安
- 一番解決したい課題 など
—————————–注意すること—————————–
ここで注意することは、アンケートなどを取れない場合は、心理的要素を一人で想像して書き出すのではなく、複数人でやった方が偏りのないペルソナ像をつくることができます。一人だとその人の想像の範囲内でしか発想できずに結果が偏ってしまいます。また、複数人を集める場合、顧客属性に近い人がいるとより正確なペルソナ像をつくることができます。
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ペルソナ設定例
社会的要素と心理的要素が書き出し、シートにまとめたものが、下記のペルソナ設定例となります。テンプレートはこちらからダウンロードできますので、参考にしてみてください。
ペルソナ設定では、商品・サービスに紐づいた内容や商品・サービスに出会った経緯なども必要な場合があるため、テンプレートをもとに項目を変更して、それを読んだら、どんなユーザーか具体的に想像できるレベルにしましょう。
写真もイメージに近い写真を探すことで誰でもイメージできるようにしましょう。

ペルソナテンプレートをダウンロードする(Excelファイル) 〉〉〉
ペルソナの活用方法
作成したペルソナはWebマーケティングの施策を実施する際に役立ちます。例えば、リスティング広告を実施する場合は、キーワードを設定しますが、その際にペルソナ像をベースにペルソナが検索するキーワードにはどんなキーワードがあるかを想定します。
Webサイトリニューアルを行う際に、ペルソナがスマホをメインに利用している場合には、スマホでのユーザビリティを強化した設計を行ったりします。ペルソナはWebマーケティンのほぼすべての施策に対して有効となるでしょうか。
ペルソナを活用すべきケース
- 提案書の作成
- Webプロモーション戦略立案
- CRM戦略立案
- ユーザビリティ改善
- リスティング広告などのWeb広告展開
- ソーシャルメディア運用
- Webサイトリニューアル
- WebPR展開
- その他Webマーケティング施策の展開時 など
ペルソナ設定のまとめ
ペルソナは、商品やサービスを利用するターゲットの典型的なユーザー像です。ペルソナを設定することで、プロジェクトメンバーのターゲット像に対する認識統一を図ることができ、具体的施策に対しても方向づけを行うことができます。
作成方法は、ターゲットの社会的要素と心理的要素を掛け合わせたもので、属性情報に加えターゲットの深層心理である、本音、抱えている課題、不安、心配ごとなどをあぶり出します。具体的には、ネットショップの購買データやアンケートデータなどを活用すると、精度の高いペルソナ設計が実現できます。
こうして設定したペルソナは、あらゆるWebマーケティング施策に対して有効なツールとして活用できるため、まだペルソナ設定をしていない方、過去に実施したが数年はペルソナを更新していない方などは、これを機に、ペルソナを見直してみてはいかがでしょうか。
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