企画書の目的の書き方~企画書作成の第一歩~

企画書や提案書を書く際に、どこから手をつけたらいいのかわからない方も多いと思います。企画書や提案書をほとんど書いたことがない方もいるでしょう。

今回はそんな方のために、企画書の書き始めに重要な「目的」の考え方と書き方を解説します。

企画書、提案書は、厳密には、新しいアイデアや新しく実施したいことなどをまとめた資料を企画書、主に顧客などに向けて商品やサービスなどを提案する資料を提案書と言いますが、一般的にはほぼ同意語として使われています。

企画書も提案書も“相手を説得する資料”という意味ではそれほど違いはなく、ここでも同意語として扱います。

 

企画書で「目的」を書く意味とそれ以上に重要なこと

企画書で記載する目的は、企画・提案した内容を実施した場合に達成すべきものです。

つまり、目的を達成するために考えたアイデアや施策が企画内容であったり提案内容であったりします。

そう考えると、企画書の書き始めは、まず「目的」からと考えている方も多いのではないでしょうか。まず、目的があって、それを達成するための企画内容を記載するという考え方は間違っていませんが、それよりも前に記載した方がいいものがあります。それが「背景」です。

 

「背景」を書くことの重要性

達成するための目的を記載することはあたり前のように必要不可欠なのですが、その前に、その企画を提案する背景が必ずあったはずです。

例えば、以下のような背景です。

顧客管理ソフトの導入を企画する背景

今まで顧客データをエクセルで管理していたが、顧客数が多くなり管理しづらくなった。

Web広告の導入を企画する背景

定期的に自社オンラインセミナー開催して、見込み顧客を増やしたい。

顧客にWeb広告の導入を提案する背景

顧客からネットショップでの売上を上げたいと相談があった。

 

こうした背景があって、その課題を解決するために企画書を作成してるはずです。ですので、目的を書く前に、その前提となった背景を書くことが重要です。

背景を書くのはもうひとつの意味があります。背景を書くことで、企画意図を明確に伝えることができるからです。企画書は複数の人に見られる可能性があります。社内の上司であるマネージャーに企画提案した後は、そのマネージャーが上司の部長や社長に対して企画書を見てもらうかもしれませんし、他部署のマネージャーに企画書を見てもらい意見をもらうかもしれません。顧客への企画提案であれば、企画をプレゼンした担当者が決済をもらうために、最終決裁者である社長に提案内容を説明することもあるでしょう。

そうした場合、もともとの課題が共有できている人であれば、背景を書かなくても、その企画の目的を理解しますが、現状を知らない人はその企画内容が本当に必要なことなのか判断できません。

例えば、顧客データをエクセルで管理していることで、社長から過去の売上データの集計を依頼された際、毎回、数名の社員が3時間以上かけて売上データの集計を行っていたり、複数人でひとつのエクセルファイルを編集するため、誤ってデータを消してしまうなどの状況があったとします。これが背景です。

そこで、顧客管理ソフトを導入することで、ボタンひとつで過去の売上集計ができ、尚且つ、管理者以外はデータを消すことが不可能なため誤ってデータを削除することがなくなります。こちらが企画内容です。

現状の課題と状況を理解しているマネージャーや部長であれば、背景を理解しているため、企画書には背景を書かずに目的だけでもいいかもしれませんが、最終決裁者の社長はそうした現場の状況は知りません。背景のない企画書を社長が見た時、エクセルで顧客データの管理ができているのであれば、わざわざ今すぐに顧客管理ソフトを導入しなくてもいいと考えるかもしれません。

そうならないためにも、企画書を作成する際には、目的と背景はセットであると考えておきましょう。目的のページに背景を入れておくのでも構いません。

 

企画書での「背景」の書き方

それでは背景の書き方から解説しましょう。

ここでは、“自社Webサイトのリニューアル”を例に解説します。

まず、Webサイトをリニューアルしようと思った背景を洗い出します。なぜ、リニューアルが必要なのか思ったことや感じたことなど課題を書き出してみましょう。

【背景】

  1. 最後にリニューアルしたのが8年前のためスマホ対応できていない。
  2. 昔は特定のキーワード検索した場合、10位以内での上位表示ができていたが、今は順位が下がったせいか、アクセス数が減っている。
  3. アクセスが下がったせいかWebサイトからの問い合わせ数が減少した。
  4. サービスに関連した情報更新を頻繁に行いたいが、他部署への依頼により、更新に時間がかかり過ぎ。

 

こんな感じです。さあ、やってみましょう。

 

相手を納得させるために現状分析で「背景」をブラッシュアップ

前述のような内容を背景として記載してもいいのですが、企画書は相手を納得させるためのツールです。その精度をもっと高めるためにやるべきことが“数値化”です。

洗い出した課題は、頭で感じていることです。それを数字で分析を行い証明することで、相手に対して課題を明確に認識させ、提案する企画の必要性を理解させることができます。

また、その数値をどれくらいまで改善するのかを目的に記載することで、相手に明確な具体的なイメージを伝えることができるのです。

 

数値データを入手する方法

数値データはあらゆる手段を使って入手しましょう。社内のデータをくまなく探して背景を数値で証明します。

数値データ(一部)

  • 月次の売上比較
  • Googleアナリティクス
  • Googleサーチコンソール
  • アンケート結果
  • 問い合わせ数
  • 競合他社との比較
  • 市場データ(調査会社など公表されているデータ)     など

 

上記で記載したものは一部です。他にも数値データがあればそれも活用しましょう。

 

数値データの活用法(現状分析)

 

背景①の数値データ

Googleアナリティクスで、スマホユーザーとPCユーザーのアクセス比率をデータ化。スマホユーザーが50%を超えている事実があれば、スマホサイトが必要不可欠だという説得材料になります。

背景②の数値データ

Googleアナリティクスで“自然検索”からのユニークユーザー数の推移を1年間グラフで表します。減少していれば、検索結果での上位表示ができていない証明になります。こちらはGoogleサーチコンソールで順位の推移を見てみるのもひとつの手です。

背景③の数値データ

Googleアナリティクスでコンバージョン数の推移をグラフ化して見ても構いませんし、会社で問い合わせ数を毎月計測しているのであれば、そうしたデータでも構いません。Webサイトからの問い合わせ数が減少している事実を数値化しましょう。

背景④の数値データ

Googleアナリティクスで“直帰率”の推移を出してみます。直帰率が増えてきていれば、情報更新があまりなされず、訪れたユーザーがすぐにWebサイトから離れてしまった仮説が成り立ちます。

※こちらのデータはスマホユーザーが多くなってきたため、ユーザーがスマホでWebサイトにアクセスしてもスマホサイトではないため離脱したという仮説も成り立ちます。

 

このように背景のひとつひとつを数値化して、現状どれくらいの状況なのかを誰が見てもわかるようにすることで相手を説得させる確率が高まります。

 

企画書の「目的」の書き方

さて、本題の「目的」書き方です。背景の数値データがあればこちらはそれほど難しくありません。

ここで重要なのは、実際の企画である「Webサイトのリニューアル」を目的としないことです。Webサイトリニューアルするだけで背景の課題が解決されるわけではないため、Webサイトのリニューアルを行うことで一番実現したいことが目的として記載されるべきです。

各背景からは、SEOでの上位表示、スマホユーザーへの対応、情報更新の迅速化などが挙げらていましたが、それらの改善を行い、最終的には問い合わせ数の増加につなげることが会社として大きなメリットになります。ですので、目的は以下のようになります。

目的:Webサイトからの問い合わせ数の増加(○○件/月→○○件/月へ)

そして、その目的を達成するための指標として以下の目標を記載します。

  • スマホユーザーへの対応(直帰率の○○%→○○%へ)
  • 特定キーワードの上位表示(○○○:36位→10位以内へ)
  • ユニークユーザー数増加(○○○○○/月→○○○○○/月) など

目的のところで重要なのは、数値で明確に目標を立てることです。背景と目的が数値で表現できれば、企画書の最初の段階で、相手を引き付けることができます。

 

まとめ

企画書の目的の書き方はいかがだったしょうか。

企画書はいきなり目的から入るのではなく、背景、現状分析とセットで表現することが重要です。企画書は相手を説得するためのツールのため、曖昧な表現ではなく、できるだけ数値データを収集・分析して、その数値データを大いに活用するようにしましょう。

そうすれば、相手を説得するための企画書としての第一歩は完了です。

 

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