提案力がすぐに身につく“相手を知る”方法とは

社内での企画提案、顧客に対しての商品・サービス提案など、ビジネスの世界では、提案力を発揮しないといけない場面がたくさんあります。きちんとした企画書や提案書を書いてプレゼンテーションをする提案以外にも、「上司に週1回定例打ち合わせを行う提案」「報告会でのアジェンダの変更を提案」「懇親会を開催する提案」など、小さな提案を含めると、ほとんどの方に何かを提案する機会があると思います。

その時に必要なのが“提案力”です。

提案力をつける場合、一般的には、「提案内容を整理する」「背景も含めて提案を考える」「相手にわかりやすく伝える」「相手の目を見て話す」などが挙げられ、ネット上でも様々なノウハウが提供されています。

ただ、これまでの20年以上の提案経験から学んだのは、一番大切なのは「相手を知る」ということです。

今回は、相手を納得させるために一番重要な「相手を知る」ということを紹介します。

 

誰に対して提案するのかを整理する

提案で一番重要なのは、どういった相手に提案するかです。直属の上司に提案してその上司がさらに決裁者に提案するケース、決裁者を目の前にして提案するケース、複数人に対して提案するケースなど様々です。まずは、この点を整理することが重要です。

決裁者が目の前にいない場合は、仮の提案した方が企画内容を非常に気に入ったとしても、その後、決裁者が企画内容に対して不採用を出すかもしれません。また、決裁者に対して提案する際は、直属の上司に提案する内容とは若干変える必要もでてきます。

次からは、提案する相手がどういった対象なのかを整理しましょう。

 

3つに分けられる提案相手のパターン

提案相手のパターは大きく3つにわけられます。まずは一つずつ見ていきましょう。

 

Aタイプ:相手が決裁者でないケース

相手が決裁者でない場合①

相手が直属の上司であり、その上に決裁者が存在するケース。顧客への提案であれば、相手が担当者のケースです。この場合、直属の上司や担当者に提案した後、上司や担当者がその提案を決裁者に説明して決済を求めて、提案内容の商品をもらう必要があります。

 

Bタイプ:決裁者も同席する場合

相手が担当者と決裁者①

担当の上司だけでなく、部門責任者など、決裁者も同席するケース。顧客への提案であれば、担当者とその上司や経営者などが同席するケースです。この場合、提案内容を通すには、決裁者に直接提案内容を説明できるため、決裁者を納得させることが必要です。

 

Cタイプ:決裁者とアドバイザーが同席する場合

担当、決裁者、アドバイザー①

決裁者以外にもアドバイザーが同席するケースです。

ここでアドバイザーについて説明します。

アドバイザーは、決裁者ではありませんが、提案内容にかかわる部門の担当者や責任者と考えておきましょう。

例えば、商品を卸会社に販売していたメーカーで、今まで展開していなかった自社商品を販売するネットショップを立ち上げる提案をするとします。

その場合、部門の責任者はネットショップを立ち上げた際に、今まで卸会社に対してだけしか販売してこなかった商品を自社のルートで販売するため、会社の営業体制にも影響する可能性があと考えます。そのため、営業部門の責任者をアドバイザーとして提案時に同席させるか、事後でもその提案内容を説明して、営業的に問題がないか確認する必要があります。

また、ネットショップを立ち上げる際には、セキュリティの面も含めて、多少なりともシステム開発の知識が必要になります。その場合、部門責任者は情報システム部門の責任者を同席させるかもしれません。

こうしたケースでは、決裁者だけではなく、アドバイザーに対しての対策を考える必要があります。

 

3つのタイプのそれぞれの攻略法

3つのタイプは理解できましたか。3つのタイプへの提案では、提案するテーマは同じですが、提案の際に考えなければならないこと、提案の際に気をつけることはそれぞれ違ってきます。それを間違えると提案を通すことができなくなるため、ここは注意していきましょう。

それでは、それぞれタイプで気をつけるべきことと提案するコツを解説していきます。

 

Aタイプ:相手が決裁者でないケース

相手が決裁者でない場合②

ここでは、直属の上司を納得させる必要があります。この場合、直属の上司が部門責任者や経営者から与えられているミッションを把握することが重要です。

直属の上司のミッションが自社のネットショップの売上アップだった場合、売上アップにつながらない提案をしても直属の上司は、その提案内容に魅力を感じません。仮に直接売上アップにつながらないアイデアだったとしても、最終的には売上アップにつながることがイメージできるような提案内容にする必要があります。

加えて、直属の上司のさらに上の上司のミッションも把握しておくと、提案内容実施の確度が高まります。あなたが提案した後、直属の上司を納得させられれば、その提案内容はその上の上司や決裁者に提案され、実施可否が判断されます。

例えば、決裁者のミッションが関東エリアのショップでの売上アップとネットショップの売上アップがミッションであった場合、ネットショップの売上アップと同時に、関東エリアのショップの売上アップにも貢献する提案内容だったりすると、決裁者のミッションにも寄与するため、提案が通りやすくなります。

 

【重要ポイント】

  • 提案相手の社内のミッションを把握してそれに貢献できる提案内容にすること
  • 可能であれば、決裁者のミッションにも貢献する要素もあれば尚可。

 

Bタイプ:決裁者も同席する場合

相手が担当者と決裁者②

部門責任者も同席するケースでは、直属の上司のミッションに貢献することも重要ですが、より部門責任者のミッション達成について重点をおき提案することが重要です。プレゼン時には、特に決裁者に対して大きなメリットがある提案であることを強調することで、提案が通りやすくなります。

 

【重要ポイント】

  • 直属の上司のミッションの達成に加えて、部門責任者のミッション達成に貢献することに焦点をあてて提案・プレゼンテーションしていくこと。

 

Cタイプ:決裁者とアドバイザーが同席する場合

担当、決裁者、アドバイザー②

この場合、Bタイプにアドバイザーが加わります。ここでは、提案内容がアドバイザー的にどれくらい影響するのかなど、徹底的に調べましょう。

前述したように、今まで卸会社への営業しかしてこなかった会社でネットショップを立ち上げる場合、自社の販売ルートを持つことになるので、卸会社からのクレームが入る可能性があります。ネットショップでの売上が上がってくると、卸会社が卸しているショップの売上が減少することが考えられ、ショップからのクレームが発生する可能性があるからです。今ではネットショップの立ち上げに「ノー!」というところはあまりないですが、営業部門としてはやりづらくなるため、営業部門の責任者を納得させる必要があります。

また、ネットショップの立ち上げで、情報システム部門の責任者がアドバイザーの場合でも同様です。自社のシステム状況やセキュリティポリシーなどを調べられるだけ調べましょう。ネットショップの立ち上げで、ネットショップ構築システムを選定して導入を提案しても、会社のセキュリティポリシーに合わなければ、そのシステム導入が却下される可能性があるからです。

 

【重要ポイント】

  • 上司や決裁者への対応は、A、Bタイプと同様の内容を注力すること。
  • 提案内容がアドバイザーの部門にどれくらい影響があるかなどを徹底的に調べて、アドバイザーからの否定的な意見を極力減らす要素を提案の中に入れること。

 

提案力を強化するためにやるべきこと

いかがでしたか。提案力を強化するために必ず実施するべきことは“相手を知る”ことです。提案する登場人物をきちんと把握して、その登場人物のミッションや普段注意していることなどを徹底的に調べましょう。

そのうえで、提案内容や構成を考え、相手に対してプレゼンテーションすることで、その提案が採用される確度は格段に高まるはずです。

日々の提案に対しては、まず、提案する相手が誰なのか、その相手のミッションや注意すべきことは何かを考え提案に臨んでください。

 

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