転職後すぐに結果を出そうと焦らないこと~失敗例から学ぶ転職先でやってはいけないこと~

「希望の会社に転職したはいいが思ったような結果を出せていない」

「転職後1ヶ月経ったが思ったような成果が出せずに焦っている」

そんな方も少なくないと思います。

私自身、転職経験が7回、その間、中小企業の取締役を2回、上場企業の取締役や子会社の代表取締役を経て、現在、会社を経営していますが、私自身、転職後に焦って成果を急ぐあまりに、失敗したこと、採用した中途社員が性急に結果をだそうとして失敗した例をたくさん見てきました。

そこで、今回は、転職後に焦った結果、失敗した例とやってはいけないことを紹介します。

 

転職後すぐに結果は出でない

結論から言うと、転職後に、1週間や1ヶ月で活躍したり成功したりすることは不可能だと考えてください。もちろん、ものすごいスキルを持っていて、そのスキルが短期間で評価されるケースも中にはあると思いますが、稀なケースだと思います。

私の経験上、入社してすぐに結果を出そうとするとかなりの確率で失敗します。

会社は組織です。組織である以上、その会社の価値観や文化が存在します。同じ業界に転職したとしても、会社ごとに独自の業務フローやレポートラインがあり、会社ごとに全く違う場合も少なくありません。

また、人で言うと、ご意見番もいるだろうし、主(ぬし)のようなキーマンもいるかもしれません。仕事ができないのに声だけ大きな人もいたり、あなたが入社したことで、居場所がなくなったり、行きたかったポジションを奪われた人もいるかもしれません。

そうした状況を熟知せずに、上司の期待や与えられたミッションだけを考えて、突っ走ると必ずどこかでつまずきます。

特に、マネージャーレベル以上のポジションで入社した場合、与えられたミッションをまわりも見ずに推し進めて失敗すると、それを挽回するのに多くの時間を要したり、最悪の場合には居場所がなくなり退社せざるを得なくなることもあります。

 

こうしたケースは決して稀なケースではありません。

 

会社にはそれぞれ価値観と文化があります。独特な人間関係もあるでしょう。また、業界が違えば業界特有のやり方もあります。同じ業界でも会社によっては特殊な業務フローを実施しているところもあります。

そうしたことを熟知せずに、自分のミッションだけを進めようとすると、特定の社員から反対されたり、他部署の協力を得られなかったりします。最悪、良く思っていない社員が邪魔するようなケースもあります。

これは、会社の価値観と文化、人間関係、業界特有の業務フロー、会社独特の業務フローなどの状況を熟視せずに仕事を進めたことによる失敗となります。

ここで重要なのは、こうした状況を単なる“把握”ではなく“熟知”することで、それにはある程度の期間が必要となります。

 

つまり、焦っても仕方がないのです。

 

次は、転職後にすぐに成果を出そうとして失敗したケースをいくつか紹介します。

 

転職後に失敗したケース~状況を熟知せずに業務を推し進めた場合~

業界トップクラスの企業から営業部長が同業界の中堅企業の営業マネージャー(幹部候補)として転職してきたケース。

社長から直接ヘッドハンティングされて、入社前から営業力強化のために新規営業を強化してほしいと言われ、鳴物入りで入社。入社後すぐに、社長から具体的なミッションを聞いて、他部署の部長4~5人からヒアリングを行って、現状の課題と売上などの数値状況を把握。1週間後には、営業全体の改革案を社長に直接提案し、社長がその提案を承認したことで、営業部長がリーダーとなって、営業改革に着手することに…。

営業メンバーにその改革案を提案したところ、営業体制と役割が大きく変わるため、営業メンバーが混乱した様子です。また、営業活動に密接に関係しているマーケティング部門の業務フローも変える必要があり、割と大掛かりな変更のため、その他の業務に忙殺されているマーケティング部門の動きも良くありません。

何度かマーケティング部門も含めた打ち合わせしていきましたが、社長からのミッションということで、営業マネージャーがマーケティング部門に業務フローの変更をごり押ししたことで、リソース的にこのプロジェクトに関わるのは難しいと断られ、結果的に、キックオフから1ヶ月経っても進捗がなく、社長に現状を報告して、本プロジェクトは一旦ペンディングすることになります。

結果的に、営業マネージャーは部下からもよく思われず、マーケティング部門からは、自分のことしか考えずに物事を進めるタイプだと思われ、その後の業務がやりにくくなり、結果的に半年後には退職ということになりました。

 

ここでの問題点はいくつかあります。

 

社長からの大きな期待を背負うなかで、社長しか見えていない状況がありました。

会社の課題を把握すること自体は間違っていなかったのですが、進め方に問題があったと言えます。社長の理想はあるものの動いているのは現場です。ここでは、まず、営業が新規営業メインではなく、既存顧客対応の割合が多い体制だったため、新規営業メインに変えることで営業マンがどうしていいかわからない状況に陥りました。

また、マーケティング部門と営業部門の連携を把握していなかったため、あとからマーケティング部門の協力が必要になることがわかり、事前の根回しも十分でないままに業務をごり押ししたことで、現場からの反発があり、業務が推進できなかったことが問題点となります。

 

整理すると問題点は以下の通りです。

 

  • 社長しかみていなかった
  • 現場の業務を十分に把握していなかった
  • 部署間の連携を十分に把握していなかった
  • そのため、現場からの反発にあって業務が止まった

 

転職後に失敗したケース~異業界から転職した場合~

制作やクリエイティブのスキルを持った方が転職するケースで見られた失敗例です。

広告制作を担当する社員の退職に伴い、クリエイティブスキルの高い制作担当を探しているところに、制作だけでなく広告企画のできる制作担当者が入社。入社当初は、制作担当が不在だったため、修正すべき制作物などが溜まっていて、それをスピーディにこなしていったことで、周りからは非常に評価は高く、非常に優秀な人材だと思われていました。

2~3ヶ月で、既存の制作物の修正が落ち着くと、今度は、新規の広告制作の依頼も増えてきました。

 

ここで問題が発生しました。

 

新規で制作した制作物が上司や他部署から軒並みNGが出たのです。

健康食品業界では、広告出稿の際には、薬機法など、広告表現に関するルールが設けられていて、効果効能などについては表現できないことになっています。これを知らないと法律に違反するより前に、広告媒体から掲載NGがでてしまいます。健康食品を扱う会社では広告掲載の前に社内チェック機能を設けているところが多く、ここでほとんどの制作物が社内チェックでNGがでてしまいました。

また、広告や販売促進企画もいくつか提案したのですが、ほとんど上司の承認を得られずに終わりました。

入社した制作担当者は、前職が注文住宅の広告企画・制作を実施していたのですが、転職先は健康食品の広告企画・制作。注文住宅は顧客が一生に一度購入するかどうかの商品のため、既存顧客へのアプローチよりも新規顧客獲得の方を重視します。しかし、健康食品は、リピーターを増やすことも新規顧客獲得と同じぐらい重要な業界です。そこを考慮せずに、新規顧客獲得要素の強い広告や販売促進企画をプランニングしたため、ピントがずれたものになってしまったのです。

入社当初は、退職者の穴埋めとしての業務を自分の持っているクリエイティブスキルでこなしたことで評価されていましたが、本格的が業務に入ったとたんに評価が落ちてしまったかたちとなりました。

結果的に、1年後には退職という結果になりました。

 

ここでの問題は以下となります。

 

特に異業界からの転職の場合は、その業界の専門知識が必要不可欠となります。業界ごとに独特なルールが存在するため、それを知らないとクリエイティブのスキルレベルがいくら高くても、通用しません。

ここでは、退職者の残務処理で忙しかったとはいえ、同時に業界の専門知識をつけることを怠ったことが問題となります。

また、業種の特性として、リピーター獲得も非常に重要視していることを把握していなかったことも問題となります。

こうした業界特有の知識を持っていないと、社内ミーティングなどで同レベルでの会話ができない状況になります。

 

問題点を整理します。

 

  • 業界のルールを把握していなかった
  • 業界特有のビジネスモデルを把握していなかった
  • 今までのスキルのアウトプットだけに終始していた

 

転職後は焦らずに準備を入念に

失敗例を見ていただいてわかるとおり、営業マネージャーの方は明らかに焦ったことによるデメリットが出てしまったケースです。また、制作担当者の方に関しては、本人自身が焦ったわけではありませんが、準備を怠ったことで失敗したケースとなります。

 

いずれにしても転職後にやっておくべき準備を怠ったことが要因と言えます。

 

冒頭でお話しした通り、会社には独自の価値観や文化がありますし、会社独自のルールや独特人間関係もあるでしょう。

入社してまずやることは、そうした会社の状況を“熟知”することです。ここで、大切なのは、知ること、把握することではなく、“熟知”するということです。

 

入社後に会社について“熟知”する方法

“熟知”すると言いましたが、具体的に説明します。

まず、その会社を熟知するのは1週間や1ヶ月ではできません。短くても2~3ヶ月、長くて半年以上かかると考えてください。

 

まず、業務フローを肌で感じる必要があるため、顧客対応や日常業務などをこなしていきます。マネージャーとして入社した場合、担当顧客などを持たなくても、部下の顧客に同行したり、打ち合わせに参加したりするなど、できるだけ現場の業務に携わることが重要です。

加えて、他部署の業務内容も把握して、部署間でどういうつながりがあるかも見極めていきましょう。

そうすることで、現場がどういった業務を実施しているかを細かく把握できるのと同時に、課題なども見えてきます。

 

また、同時に、人間関係も見極めていきましょう。

マーケティング部長は社歴が一番長いため、他部署が何か新しいことを実施する際に必ず相談する、営業部長は広報部長の元部下で尊敬されているため何か課題があると広報部長に相談する、広報部長は社長の特別ミッションを多く抱えている、営業部門とマーケティング部門は業務上密接な連携が必要だが衝突することが多い…。

こうした微妙な人間関係は、今後業務を進めていくことで、非常に重要になります。

 

そして、業界、会社の専門知識、独自ルールなどの習得です。

異業界から来た場合は、特に、業界特有の専門知識をできるだけ早く習得が重要です。そうしないと打ち合わせなどで同レベルでの会話ができないからです。

同業界からの転職だとしても、会社独自のルールが存在します。前職ではマーケティング部門で実施されていた業務が、転職先では営業部門が実施するなどの独自ルールは少なくないため、そうなった理由なども含めて把握していってください。

 

こうした会社の詳細を時間をかけて把握することで“熟知”につながっていきます。

 

転職後やってはいけないこと

最期に、転職後にやってはいけないことをまとめます。

 

性急な提案や業務改善を行うこと

これは前述のとおり、多くのケースで失敗します。まず、全体を熟知してから提案を行ってください。

 

前職のスキルのアウトプットだけで過ごすこと

前職のスキルをアウトプットすることは必要ですが、それよりもインプットを重視してください。

 

人付き合いを避けること

今は少なくなりましたが、歓迎会や会社のイベントがあった場合は積極的に参加して、人間関係などの把握を優先してください。

 

そして忘れてはいけないこと…

 

課題を見つけすぐに改善に向かうこと

課題があったとしても、指摘してそれをすぐ改善しようとはせずに、課題があることを認識するだけにとどめることです。理由があって課題が改善しない場合が少なくないため、全体を熟知するまでは性急な改善はさけるべきでしょう。

但し、どこに課題があるかは細かく把握しておいてください。会社を熟知した後のアウトプットでは、その課題改善を積極的に提案することができます。

 

まとめ

転職したら焦ってもデメリットしかありません。「郷に入ったら郷に従え」という言葉の通り、まずは、会社の価値観や文化、人間関係を把握することに終始してください。時間はかかりますが、その方が、後々の提案や実施にメリットが非常に高いです。1~2年で辞める予定がない場合は、長い目でみて会社で結果をだしてください。

具体的な結果の出し方は、別のコラムで紹介ます。

 

転職後に結果を出したいと思ったら読む本

転職後は、環境も大きく変わり、仕事の進め方を見直す大きな転機といえます。転職が決まった方、転職して間もない方、転職先で結果を残せていない方は是非ご一読ください。

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参考サイト

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